世界の果ての渚で / On the Beach of the World’s End

世界の果ての渚で On the Beach of the World’s End (2017.08.11)
Music & Lyrics by Café Rainbird

うたかたの世界 / Frothy World

どこまでも続く ひらけた砂浜
真夏の日盛り 他に人もなく
誰かが忘れた麦わら帽子が
ひとりで寂しく 砂にうずもれて

まぶしい日射しが 砂に焼き付いて
黒い影だけが 色濃く滲んで
ゆらめく風景 これは白昼夢
儚い夏の蜃気楼

浜辺に残った僕の足跡を
鈍色の波が 遠くに持ち去る
記憶を持たない砂の画布は
はじめからなにもなかったみたいに

どこにも着かずに 誰にも会わずに
波の音だけが無限に響いて
さまよう僕は渚にゆらめくまぼろし

他人事の毎日 過ぎていく日々は
ひたすらむなしく通り過ぎていく
あてどのないまま つたなく空回りして

朝 どこかで日が昇り
夕 どこかで日が沈み
ほら いつしか夜は更け
むなしい今日が去っていく

また朝日が昇って明日が来るんだ
明日の明日も そのまた明日も
際限もなく打ち寄せる波のよう
泡のような毎日に ただ待つしかないのだろう
無限に続いていく空虚な夢の終わりを

星祭りの夜、あるいはふたりの出逢い / At Night of the Star Festival

夏の終わりの祭りの夜は
仮装した人々が街にあふれ
遠い異国に迷い込んだようで
流れゆく雑踏をただ眺めていた

目と目があって 足がとまって
君と僕 ふたりだけ時が止まる
そのとき既に僕らふたりともが
ああ 高鳴った鼓動を胸に感じていた

広い広い夜の空に
孤独な星がただようように
寂しい夜空の ふたりの出逢い
僕らはめぐり逢った

ルララルララ 星が降る
夜の闇を照らして
ルララルララ 星のロンド
ふたりの時間が動き出すよ

ほほえみかけて 言葉交わして
にぎわった街中をともに歩く 
手と手がふれて やがてつなぎあって
そう お互いの温度を感じていたかった

長い長い時の果てに
星と星とが近付くように
冷たい宇宙の ふたりの出逢い
僕らは惹かれあった

ルララルララ 星が降る
闇に燃えてきらめく
ルララルララ 星のロンド
ふたりの世界が 回り出すよ

(improvisation)

夏の終わりの星祭りは 
どことなく懐かしく どこか寂しげ
不思議な出逢い まるで夢のようで
まだ現実のことと信じられなくて

遠い遠い闇の彼方
星のあかりがまたたくように
はかない奇跡 ふたりの出逢い
僕らは求めあった

ルララルララ 星が降る
長い夜のはざまに #
ルララルララ 星のロンド
まぶしく輝いて

宇宙をめぐる星にとって
まばたくよりも 短い時間
永遠のような 素敵な時を
僕らは過ごしたんだ

ルララルララ 星が降る
まばゆいほどせつなく
ルララルララ 星のロンド
ひとときの逢瀬に

星の海で 僕らふたりは
めぐる運命に導かれて 
永遠のような一瞬のロンド
あふれる想いに身をまかせて

Tommorow is Never

理由もなく ある日急に
言いしれぬ不安が 胸をかきみだす

それはきっと 静かな予感
来たるべき結末の足音

休みなく 終わりもなく
時の砂はこぼれる
だけどこのまま時が止まれば
何も悩まずにすむのに

僕は明日を信じない
僕は明日を信じられない
希望に満ちた輝く日々に
いつか終わりが来るなんて

狂いなく 迷いもなく
時の針は進む
だけどこのまま時が止まれば
悲しみを知らずにすむのに

僕は未来を信じない
僕は未来を信じられない
思いにあふれた美しい日々に
いつか別れが来るなんて

僕は明日を信じない
僕は明日を信じられない
光に満ちた輝く日々に
いつか終わりが来るなんて

深い海の底で逢えたら / See you in the deep sea

アクアリウムの蒼い照明
誘うは白昼夢
淡い午後の蜃気楼
暗く深い海の底で
あてどなくゆらゆらと 漂っている夢

落ちていく ゆっくりと
海溝の暗闇を
果てしのない静寂の世界へ
重すぎる水圧と
終わりない暗黒が
心を締め付け 呼吸ができない

僕は君を 探していた
泣き疲れ 岩陰で眠る
孤独な人魚姫
長い間 闇の中で
懐かしい君のこと ずっと考えていた

見つめ合い 抱きしめる
つかのまの 瞬間に
僕らは 冷えた心をかさねて

だがいつか 時は過ぎ
永遠の寂しさが
別れとともに迎えに来るだろう

水に浮かぶ泡のように
夢は醒め 幻覚は
そっと現実に還る
だけどどこか 夢みたいで
心だけ深海に置いてきたようで

晴れた午後 憂鬱は
僕を呼び 連れて行く
君の待つ蒼い海の底へと

――深い海 深い闇
まだ君は 僕に
忘れることさえも許してくれない

落ちていく いつまでも
海溝の暗闇を
ただひとり君の欠けた世界で

――重すぎる沈黙と
終わりない寂寥が
心を締め付け 呼吸ができない

暗闇の声はやさしく / So sweet is the call of darkness

深い深い海の底は
悩みのない素敵な場所
ゆるく遅く時が眠る
やすらかなゆりかご

光もなく言葉もなく
ここは誰も傷つけない
不安はなくおだやか #
檻のない鳥籠

さあ 降りておいで この場所へ
さあ 深く深く 水底へ

光は裏切る 想いを拒絶する
こころなんて 求めるほどむなしい

みにくいお前にやさしいのは暗闇だけ
おもどり 棲み家へ
こころ静かな世界へ

怖い怖い 海の外は 
秩序のない 危険な場所
終わりのない争いだけ
耐え難く続いて

逃げ場もなく 救いもなく
迷いおびえ さまようだけ
こころやさしいおまえに
似合わない 死に場所

さあ 逃げておいで この場所へ
さあ 深く深く 水底へ

言葉は惑わす 想いを狂わせる
こころなんて 揺さぶるほど苦しい

声などいらない やすらぐのは沈黙だけ
おもどり 棲み家へ  
暗い静かな世界へ

冬のマーメイド / Winter Mermaid

暗い部屋の片隅にたたずみ
長い夜が戸をたたくのを待つ

つかのまのまどろみに目を閉じても
たぶん 本当のやすらぎは見つからない

真夜中のしずけさは 物憂げにささやく
いつしか忘れた子守歌
懐かしい深海の穏やかなメロディに
耳を澄まして今夜も更けゆく

白い息を吐きながら眺める
窓の外は灰色に染まって

冷え切ったこの身体暖めても
たぶん 凍てついた心は戻りはしない

白昼のざわめきは 哀しげにささやく
いつしか潰えた冬の夢
耐え難く鳴り響くひび割れた不協和に
耳をふさいで今日も過ぎていく

迷い込んだかりそめの世界は
声の出ない私を拒絶して

ひとつだけ願いがかなうとしても
たぶん 泡のように消えるのを望むだけ

うたかたの毎日はひたすらに虚しく
呼吸もできずに乾いていく
ひとときの安息を求めても
この地上に居場所なんてどこにもないのに

落ちていくゆっくりと 意識の暗黒に
夢さえも届かない場所へ
真夜中の静寂はやさしげに誘う 
深い海の底 私の故郷に

水底の静寂 / Silence in the Seafloor

蒼く 忘却は 淡く
澄んだ水のように
深い記憶の水底
やがてすべて埋もれゆく

過ぎた苦しみは甘く
深い水の底に
重い悲しみとともに
閉じこめられ 消えていく

眠れる夢の底へ
すべてが沈んでいく

時を過ぎて
記憶はゆっくりと
深い闇の底へと沈む
怖い夢もつらい夢も
長い時とともにすべては消えゆく

水の底へ

過去の喜びは苦く
古い傷のようで
棄てた思い出とともに
痛みだして悩ませる

時を待てば
想いはゆっくりと
水に溶けて崩れて消える
古い夢も熱い夢も
遠い時の果てにすべてはなくなる

水の底へ

セイレーン / Seiren

暖かい微風が春を運び
凍てついた大地を静かにとかして
咲き誇る花たちは色鮮やか
灰色の風景を覆い隠して

あの綺麗な 彼方の幻影も
ほんの少し手を伸ばせば届きそうで――

だけど 

冷たいこの手で触れるすべて 
枯れて崩れていく 壊れていく
それゆえ哀れな私には
眩しい世界に触れられない

終わりなく広がるこの青空
濁りなく透明な色に染まって
この世界は何もかも美しくて
悩みなどないみたいに微笑みかけて

重い枷に囚われたままなら
いっそ一瞬の想いに身を任せたい――

だけど 

冷たい身体に触れるすべて
凍り砕けていく 壊れていく
それゆえ哀れな私には
やさしいあなたに近づけない

(ひとりきり 真っ暗な海の底で
 何も知らずに生きていれば
 ずっと静かに深い夢の中で
 やすらかでいられたのに)

陽が落ちた砂浜に 夜が訪れても
懐かしい静寂には戻れないまま
閉じ込めた感情がひどくざわついて
忘却の残り火が心焦がして

闇に叫ぶ絶え間ない波濤は
遠く 永遠のしずけさを待ち望んで――

夜ごと 誰にも出逢わぬ果ての海で
ひとり口ずさむよ 滅びのうた
哀しき魂の輝きが
燃え尽き やすらぎ得られるまで

渚にて

悲しい予感が胸をひたしても
抱いた想いは消し去れなくて
終末のときまでこのまま待ち続けるよ
この世の果て 灰色の渚で

目的地には届かないまま
おしまいが近付いて
記憶は風化し 身体朽ちて 心が錆びる
君のことも今は夢のようにぼやけて

過ぎゆく時間をいくら重ねても
自分の想いは裏切れなくて
届かぬ言葉と一緒にむかえるだろう
最後の季節を

壊れた世界が終わりむかえても
想いは消えずに朽ち果てないで
無人の世界で音楽奏でるだろう
やさしい歌 世の果ての渚で

Daybreak

長い嵐は通り過ぎ
荒れた波の音も
落ちついて おだやか
空を覆った黒雲も
消えて 夜空に今 
星がまたたいている

広い海の静かさに
少し 恐ろしくなる
眠れない日々の孤独が
強く焼き付いていて

だけど 錆びたはずの心が動き
暗い夜の終わりを待つ
忘れていた希望とともに
胸は強く高鳴っている

やがて辺りは明るんで
涼しくそよぐ風が渚を通り抜けて

夜明け前のしずけさに
少し 恐ろしくなる
つらいまま過ぎた昨日を
ふいに思い出すから

だけど 消えたはずの想いがつのり
ただひたすらそのとき待つ
待ち望んだ光とともに
ゆっくり今 朝が目覚める

(Hum)

昇る 朝の日射しが照らし
浮かび上がる光の海
凍りついた心を 融かし
熱い想い あふれていく

失われた世界がやがて
色を取戻し静かに輝き出す
かけがえない予感に満ちて
最初の朝 一日が動き出す


Music & Lyrics by Café Rainbird