Nobody’s Nest(2025.08.17)
Music & Lyrics by Café Rainbird
渚にて
悲しい予感が胸をひたしても
抱いた想いは消し去れなくて
終末のときまでこのまま待ち続けるよ
この世の果て 灰色の渚で
目的地には届かないまま
おしまいが近付いて
記憶は風化し 身体朽ちて 心が錆びる
君のことも今は夢のようにぼやけて
過ぎゆく時間をいくら重ねても
自分の想いは裏切れなくて
届かぬ言葉と一緒にむかえるだろう
最後の季節を
壊れた世界が終わりむかえても
想いは消えずに朽ち果てないで
無人の世界で音楽奏でるだろう
やさしい歌 世の果ての渚で
さまよえる公園
夕陽の暮れる 無人の公園は
壊れたベンチ 歪んだ時計
見知らぬ風景 でも既視感のようで
昔からこの場所を知っていた気がして
崩れ落ちたジャングルジム
鉄格子の影が落ちる
ねじくれた牢獄にとらわれ
さまよいこむ ほら
出口のない迷路
いつでもない どこでもない
誰もいない夕暮れに
終わりもなくただ
無為に歩き続け
薄暗い幻想に
ずっと閉じ込められ
夕陽に染まる さびれた公園は
崩れた砂場 錆びたブランコ
時の停まった この景色はまるで
遠い日に置いてきた 思い出の残骸
色の剥げた滑り台は
土の上に横たわって
息絶えた恐竜の死骸に
さまよいこむ ほら
時の果ての墓場
昼でもない 夜でもない
暗く淡い たそがれに
あてどもなくただ
外を探し続け
にせものの追憶を
ずっと抜け出せずに
ずっとこのまま–
影絵の国でつかまえて
小さな路地をいくつか通り抜け
着いたのは見覚えない景色
道行く人は誰も顔が見えず
実体のない影絵のようで
路地の迷路さまよっても
どうしてか元の場所に戻れはしないで
帰りつく道を探し続けても
どこにもひとつも見つからなくて
迷い込んだここは影絵の国
闇と光入り混じってまだらになる
物を言わぬ影法師の群れに
まぎれて日々をやり過ごして
見知らぬ路地をどれだけ歩いても
いつだって見覚えないままで
会う人々は皆ぎこちなくて
壁に映った影絵のようで
道のパズル解こうとして
どうしてか謎はもっともつれるばかりで
終わりない夢にずっと囚われて
いまだにどこにも行けないままで
出口のないここは影の世界
顔も名前も忘れて闇に溶ける
誰でもない影になってずっと
無限の日々をただ過ごして
無限の日々をただ過ごして
Soft, Moist, & Sweet (rebaked)
あなたといると どきどきするの
胸の鼓動が強くはずんで
不思議なほどに こころ躍って
落ち着かないのはどうしてなのかしら?
あなたといると そわそわするの
お腹の奥が熱くうずいて
戸惑うほどに こころ騒いで
しずまらないのはどうしてなのかしら?
ほのあまい 蕩ける吐息
熱く絡む 糖蜜めいて
運命を信じるほどに
ひたすらにまっすぐな希求に
あなたといると ふわふわするの
頭の中が ぼうっとのぼせて
見つめるほどに こころとろけて
嬉しくなるのはどうしてなのかしら?
あなたのことを 見つめていると
せつなく胸がしめつけられて
ふらつくほどに こころ渇いて
求めているのはどうしてなのかしら?
口元にこぼれる微笑
交わす視線 蜜月めいて
拍動にときめくほどに
焦がすほど燃えあがる欲望に
あなたのもとに迎えに行くの
深夜を時計が告げるころに
ノックをしたら窓を開いて
わたしを中に招いて–
あなたといると おなかがすくの
あなたがとても おいしそうで
暗闇より深く 薔薇より赤く
いとしい雫でのどをしめらせて
たまらない 甘美に甘露
歓喜 至福 罪科めいて
あおるほど 味わうほどに
さよならが名残惜しくて
たえがたい飢えと渇きの
やんだあとは 寂しさばかり
つかのまの淡い余韻に
今はただ少しだけ浸らせて
みだら雨
降りだした雨は
ずっとやむ気配が見えなくて
雨だれの音が
昼も夜も 休みなく続いて
薄暗い雲に
降り続く小雨の毎日は
重たい気分が
空を全部塗り潰すみたいで
絡みつく憂鬱に
とらわれながら
戻らない遠い日を
思い返している
途切れることなく
ひたすら降る雨
息苦しいまま
気持ちも晴れずに
うるんだ瞳の
視界がにじんで
澱んだ空気が
辺りを浸すまで
終わらない雨に
ひたすらにうんざりするばかり
人影は絶えて
雨音だけいつまでも聞こえて
きりのない執着に
とらわれながら
長雨の静けさに
耳を澄ましている
晴れ間も見せずに
続いていく雨
忘れることなく
想いも晴れずに
あふれる未練で
世界がふやけて
こぼれる涙で
すべてが沈むまで
Void
まばゆく訪れる朝日の中
街中がせわしく 起きて動き出して
日ごとに飽きもせず やかましくて
――今はもう毎日に 意味なんてないのに
果てなく押し寄せる月日をただ
耳も目もふさいで固く閉じこもって
分厚いカーテンを閉ざしたままで
遠ざかる昨日に 鍵をかけたままで
割れて砕けた 硝子の日々は
もとに戻らないのに
こぼれ落ちる想い
薄れていく気持ちは
日盛りの陽炎が
ゆらめき遠く逃げていくよう
今日も 夜の浅い
ゆううつな眠りの供に
やさしく抱き寄せて
永遠の不在を
色褪せ古ぼけた写真の中
過ぎ去った時代の抜け殻が写って
あの日のあどけない少女のままで
寂しさも知らずに ぎこちなく微笑って
枯れて乾いた 花瓶の花は
二度と戻らないのに
何度となく巡る
繰り返す季節は
砂浜の足跡を
無限の波がかきけすよう
明日も誰もいない
朽ちていく廃墟の家で
いとしく抱きしめて
永遠の空虚を
通り過ぎるうつろな日々
なにもかもが無価値で
意味をすべて喪っても
世界は消えずに
夢の醒めた後の
徒らな月日は
きらめきを失った
傾く夏の陽射しのよう
とうに熱の冷めた
灰色の時間の果てで
むなしくさまよって
永遠の荒野を
淡くとけて消えた
積み上げた記憶は
宵闇にほのかおる
花火のあとの煙のよう
ずっと続いていく
からっぽのこの世の隅で
ひさしく待ちわびて
永遠のおわりを
永遠のおわりを