進行不能ギグ

進行不能ギグ(2024.08.12)
Music & Lyrics by Café Rainbird

椅子のお嬢さん

歪んだ部屋の片隅で静かに帰りを待つ
あなたとの穏やかな時間を夢みる
だけどあなたの瞳に わたしの居場所はない
だってわたしはあなたにとって なんでもないモノだから 

古い瓦礫のものかげで あなたに拾われた
それがわたし つぎはぎの木製の椅子
冷たく暗いこの部屋で かすかにつぶやく
あなたが好き わたしはずっと あなたが好きなの と

想いは伝わらなくて 慕う言葉さえ届かなくて
返事のない寂しさだけ 今日も手元に残る

これが わたしの哀しい恋のうた
むなしさだけ積み重ねる
どうにもならない 無意味な毎日に
疲れ果てていく 身も心も

あなたはとても気分屋で わたしを振り回す
なにかに夢中なときは乱暴に腰掛け
むしゃくしゃしてるときには いきなり蹴飛ばす
わたし 床に倒れて ずっとそのまま動けない

痛みは気付かれなくて あげた悲鳴さえ届かなくて
傷が増えて骨が歪み 身体がひどく軋む

これが わたしの苦しい恋のうた
痛みだけが刻まれていく
どこにも行けない 無力な毎日に
すり減らしていく 身も心も

昼の仕事の疲れであなたはうとうとする
うたたねするあなたは 静かで優しい
眠ったあなたに寄り添って一緒にいられる
それが非力なわたしにとって つかのまのしあわせ

いつしかわたし壊れて まっすぐ立てなくなる
舌打ちして あなたはわたしを解体して
燃える暖炉にくべられて 真っ赤な炎になる
それがわたしの人生の たった一度だけの輝き

願いは叶わなくて だけど想いだけ祈るように
それでも好き あなたが好き 
これが わたしの哀しい恋のうた 
ぜんぶ灰と煙になる
綺麗に消えてなくなる 
自由になれる これでやっと 

リバース・グラビティ

呪われた執着に
この世界は囚われたままで
絡みつく引力が
この心を地の底に縛りつけて

星は落ちていく
無限の闇の底へ

意識は永遠に
暗黒を落下していく
重く 深く暗く沈み
澱んだ想いと爛れた時間に

何もかも動けずに固まって
停滞と閉塞に 包まれたまま
感情の牢獄に
この世界はつながれたままで
強すぎる重力が
ただ私をゆっくりと押し潰して

夢に見る 反転を
途方もない 虚構の救いを
錆びついた軛から
虚空の果て 何もかも解き放って
この世界を ばらばらの破片にして

灯りを消して

喜劇の終わりは不意に訪れ
壊れた舞台が残って
うつろな瞳は空を見つめて
汚れたナイフは乾いて

灯りを消して 闇で満たして
やさしい夜が ほら 全部隠すから
破滅の底で 望む望みは
ただひとつだけ
ただ静かに休むことだけ

物憂く時計が零時を告げて
魔法の終わりを報せて
倒れたあなたは冷たくなって
無口な彫塑に変わって

灯りを消して 闇で浸して
嘘の世界が ほら 融けて消えるから
悪夢の中で願う願いは
ただひとつだけ
ただすべてが終わることだけ

BAD ENDはわたしと

可愛いおつむに
欲望ばかり無邪気に詰め込んで
ほら 間違いばかり繰り返して 
傍若無人で
やわな自己愛やたらとばらまいて
もう そこらじゅうがホコリまみれ

小さなポケットに
優待券ばかり無闇に溜め込んで
ほら 留保ばかり増え続けて
優柔不断で
素敵な伏線たくさんへし折って
もう 可能性は在庫切れで

わがままで 無責任で
火遊びを反省したって今更
やり直しができると
思わないでよね?

お愉しみの無謀な冒険は
途方もない 罪と科の
積み重ねが 眩暈がするほど
運命の日 その日が来るまでは 
ふくれあがる あなたの負債
全部指折り数えてあげるよ

短気で移り気
少ない命無意味に消費して
ほら 廃品ばかりかき集めて
小心翼々
大事な選択 先延ばしのままで
もう 帰還不能点はとうに過ぎて

噓つきで その場しのぎ
無礼を後悔したって今更
「一抜け」が通ると
思わないでよね?

お待ちかねの豪華なご褒美は
際限ない刑と罰の
フルコースが身悶えするほど
審判の日 その日が来るまでは
転げ落ちるあなたの姿
全部やさしく見守ってあげるよ

幕の下りた喜劇のその後は
救いもなく望みもなく
滅び朽ちて乾いていくだけ
約束した破滅が来るまでは
光のない この場所で
ずっと あなたを待っててあげる

おあつらえの地獄が決まったら
数え飽きた傷と痕の
とっておきのお礼をしなくちゃ
待ち遠しい清算の日が来れば
ろくでもない あなたのことも
全部微笑って 赦してあげるよ


Music & Lyrics by Café Rainbird